タイハーブ研究の総本山 アバイブーベ病院がスゴすぎる!

【女子力超アップ】 美と健康を追求する「アバイブーベ病院」がスゴすぎる!

排ガスで視界もかすむ空の下、激甘タイティーを嗜む日々だが、これでも美容と健康には人並みに関心がある。
天然とか有機と名がつくものに滅法弱く、オーガニック専門店のパトロールも大好物だ。しかし、この手の店に並ぶキラキラした商品は意識も値段も高く、会計時に意識が遠のくこともしばしば。
そんな中『チャオプラヤ・アバイブーベ病院(โรงพยาบาล เจ้าพระยาอภัยภูเบศร)』のプロダクトは違っていた。
原料には無農薬・化学肥料不使用のオーガニックハーブを使用。街中のどこでも気軽に購入でき、バラマキ土産界の横綱「マンゴスチン石鹸」は一個30バーツ程度とナチュラル系にあるまじきプチプラぶり。使用感もよく、アットコスメ風に言うなら「リピ決定です☆」というやつである。

私もいくつかのスキンケア用品を愛用しているが、「製造元の病院とやらはハーブを研究してるっぽい」程度のボンヤリした認識しかないまま今日まできた。どうも聞くところによると、タイ伝統医療と先進医療の融合を推進するイケてる病院で、薬用ハーブの研究開発、ハーブ園運営のほか、敷地内には博物館を擁し、マッサージやスパ、レストランもあるという。そんなパラダイスだったのか……。行くしかない!

目指すハーブの総本山は、バンコクより北東140㎞に位置するプラチンブリ県。田舎道をひた走り、路傍に水牛が目立ちはじめる頃、緑豊かなアバイブーベ病院に到着した。

あらゆる薬用植物や貴重な資料が並ぶアバイブーベの博物館!

当時のままを残す洋館だが南国らしいポップな色使いでバイオハザード感は薄い

おぉ……。ブランドロゴにもなっている建物が実在し、目の前にある感動よ。こちらの洋館は1909年にラーマ5世の迎賓館として建てられたもので、現在は「タイ伝統医療博物館」として公開中。クラシカルな館内には創立者チャオプラヤ・アバイブーベ氏の偉業を讃えるコーナーに始まり、サムンプライ(薬用ハーブ類)2500年の歴史、調合に使う道具の展示、当時の漢方薬の教科書や村医者の記録など資料も豊富で、見どころ満載。アーユルヴェーダと中医学の交差点に立つタイ伝統医療に感心しながら、階下の調剤薬局に歩を進めると、アンティークの大きな薬棚に各種サムンプライ――木の皮や貝殻、バナナと蜂蜜、鹿の角、亀の甲羅、ムカデ、サソリ等を漬けたガラス瓶がズラリと並んでおり、じつに圧巻。個々の症状に合わせて薬剤師が調剤してくれるのも、体力回復のポーション作りを見てるようで楽しい(ゲーム脳)。

本格ハーブボールも登場!身体を診断してからのタイマッサージ

長期の治療にあたる患者さんも多く、マッサージやサウナは保険対応のケースも

博物館の横にあるのはタイマッサージをはじめとした伝統治療の診療所。西洋医学偏重の時代を経て、タイ伝統医療は今アツい注目を浴びているのだと実感した。なにしろめっちゃ混んでいるのだ。あちこちで、生ハーブを贅沢に詰め込んだボールが蒸されて湯気を立てている。濃く漂うレモングラスの芳香がいい感じだ。

「当診療所では生薬の力による体質改善を目指しています。ハーブボールの薬効成分は身体の機能を向上させ、ハーバルサウナの蒸気は病後や産後の方の回復に。症状に応じて東洋医学と西洋医学を使い分け、柔軟に対応します」

と、忙しいにも関わらず親切なイケメンドクターが登場。血圧など身体チェックと問診を経て、施術可能かどうかを医師が判断してから、はじめて受けられるそうだ。ちなみに、表に座ってママーを食べてるマッサージ師は一人もいなかった。

温めた塩の塊を患部にあてる施術、ハーブボールの効能、伝統医療の素晴らしさを説くドクターの語気にも熱がこもってきた。よしわかった、さあ押し当ててくれ、そのタイ伝承の叡智を私にも…!とこちらも最高潮に盛り上がったところでハーブボールをお願いしたところ
「あ、今日は予約でいっぱいなんですよ」
との返答が。どうやら事前予約は必須で、タイマッサージも一週間前の申し込みがベターとのこと。診察時間も従来の8:00~16:30では間に合わなくなり、現在は平日19:00まで延長してるようで。
嗚呼……。

お腹の上でハーブを焚くスパ

失意のまま向かったのは、ペパーミントグリーンが映える洋館『アバイブーベ・デイ・スパ』。天井高でラグジュアリーな雰囲気の中、60分のフェイシャルから全身トリートメント180分コースまで、自社製品を使用した本格的なスパメニューが受けられる。お腹の上でハーブをガン焚きする施術はまるで人体自然発火現象だったが、一流エステティシャンの説明を聞いているだけでアガりまくるガーリー気分。しかし真のお目当ては、スパの裏手より入れる小さなレストランだ。急がねば。

医食同源をコンセプトにしながら『アバイブーベ・スパ・キュイジーヌ』は美味い!

病院直営のレストランとは思えない洒落た雰囲気

『アバイブーベ・スパ・キュイジーヌ』のコンセプトは医食同源。食から病気の予防や改善を促すというメニューは、農園で育てたハーブで織りなす、ここにしかないものばかり。花や野菜を、中央のココナッツディップとともにいただく美しい一皿や、ハーブのかき揚げ、有機野菜のスープ。いずれもスッと体に染み入るようなやさしい味わいが特徴だ。
おススメは、10種類のサムンプライから好きな具材を選べるオムレツとおっしゃるので、恥ずかしげもなく10種全部入りをオーダー。ボリュームたっぷりなのに口当たりは軽く、あれこれ追加オーダーしまくったのは言うまでもない。気が短い、胃が弱い、肥満体型、など細かく分類された体格や性格から、おすすめメニューを3タイプにわけて提示してあるのも、さすが病院直営!といった趣。

中央のディップで野菜をいただく「ルワン タオジアウ/หลนเต้าเจี้ยว」  100バーツ

炒めた豚肉とカオソーイ、レタスと一緒に「ボーブン/บ่อบุ้ง」 100バーツ

ハーブ野菜のかき揚げ「カーンポーン/ข่างปอง」75バーツ

辛さはなく野菜の優しさが詰まった「ゲーンリアンクンソッド/แกงเลียงกุ้งสด」120バーツ

10種類のハーブ野菜入りカイジアオ(卵焼き)

豆類と赤米とを炒めたカオパット

直営ショップで買い物欲が止まらず爆買い

ハーブの知恵と知識を普及すべく、安価で高品質な製品を提供することを目的に長い歴史を刻んできたオーガニックブランド、アバイブーベ。バンコクにも直営店はあるけれど、ここはハーブ虎の穴。薬用サプリもいったい何種類あるのか、女性用はもちろん、男性用コスメも豊富に揃う。物量にクラクラしながらも、SPF50PA++最強タイプのCCクリーム、シミ取り美容液、ペット用シャンプー、アバイブーベ氏の子孫が著した健康レシピ本など、しっかりと爆買いし、ついでに併設のハーブ園を一周して大満足の一日を終えた。
げに奥深きハーブの世界。食べて飲んで買い物しただけなのに、底打ちだった女子力も奇跡の回復を遂げた感すらある。次こそはガッチリ予約して伝統医療の奥義に触れてやるぜ、と固く再訪を誓うのであった。

コスパ最高のアバイブーベ製品。年末にはカゴに山盛りにして贈りたいものだ

 

アバイブーベ病院の詳細

プラチンブリー県にある『アバイブーベ病院』。場所や営業時間など詳細は以下になります。

TEL:037-211289
OPEN:08:30-19:00(最終のマッサージは18:00)年中無休
Website:http://www.abhaiherb.com/

 

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万灯レイコ万灯レイコ(まんどれいこ) 在タイ5年の人妻。趣味:フィールドワークという名の場末探訪。量産型ショッピングモールとおしゃれカフェに侵食される前に記録しておかねば。と謎の使命感を胸に日々徘徊。

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