ワイ島(Koh Wai) ーホテルが5つしかない静寂の絶島ー

ワイ島 ーホテルが5つしかない静寂の絶島ー

「秘」という言葉には人を惹きつける力があるのか、この言葉が冠するだけで「ちょっと見てみたい」と思ってしまうのは私だけでしょうか。
秘湯、極秘、神秘、丸秘、秘境などなど。ときおり淫靡な響きにも聞こえるこの言葉を、島に冠し「秘島」という単語にすると、それだけで観光要素に満ちた「ちょっと行ってみたい」島に一変いたします。
「秘島」の定義は人によって「無人島」や「交通手段のない島」としていることがありますが、私個人的には「ナイトライフ系(BarやPubなど)がない」「タクシーがない」「ホテルと呼べるような宿泊施設がない」という3つの要素で定義しています。
タイにも「秘島」と称される島々が幾つか存在しています。私がこのサイトで取り上げたものだとスリン諸島が該当しているでしょう。

スリン諸島はタイ南部のアンダマン海に浮かぶ島で、食堂が一軒しかなく、コンビニは皆無。私が利用している通信会社DTACの4Gは入らない、食堂のwifiは微弱で使い物にならないわ、アルコール類は販売されていないわで、秘島と呼ぶに十分な要素を満たした島でした。
※スリン諸島の詳しくは以下の記事でどうぞ。

スリン諸島 美しいアンダマン海に囲まれたタイ南部の秘島へ

2018年の1月、スリン諸島の大自然と海に抱かれて頭の中をすっからかんにした私ですが、次なる秘島へ渡るべく、探し出したのがワイ島です。

何もない島、トラート県沖のワイ島(Koh Wai)

ワイ島(เกาะหวาย)はトラート県に属しており、チャーン島の南部に位置しています。
地図上でご覧いただくとお分かりになりますが、ワイ島の面積は周辺の島々に比べとにかく小さく、島内に点在している宿泊施設はたった5つ。しかも5つの宿泊施設のうち、Agodaで予約を受け付けているのは2つだけです。島の面積が小さいことから島内の移動は徒歩オンリー。大手コンビニエンスストアーは皆無。24時間通電している宿泊施設は1つだけという、秘島の要素をすべてクリアーした島でございます。

モーチットの「ミニバスステーション チャトゥチャック」から出発

トラート県までは飛行機、バス、ミニバス、ロットゥーのいづれかの交通手段になります。私が今回選んだのは、モーチットにある『ミニバスステーション チャトゥチャック(MINIBUS STATION CHATUCHAK)』からミニバスで向かう手段。
『ミニバスステーション チャトゥチャック』は最近オープンしたロットゥー乗り場で、ヴィクトリーモニュメントのロートゥー乗り場の閉鎖により、新設されたようです。
新しく出来たロットゥー乗り場を一度は見ておきたい。いたって単純な動機により『ミニバスステーション チャトゥチャック』から秘島への旅を始めるにいたしました。

ミニバスステーション チャトゥチャック(MINIBUS STATION CHATUCHAK)

行き先によって受付場所が変わります

バンのほかミニバスもあり

私が手配したトラート県行きのミニバス。満席でした。

ミニバスステーション チャトゥチャック(MINIBUS STATION CHATUCHAK)

トラート港からワイ島へ

5時00分発トラート行きのミニバスは事前に予約済み。早朝出発のバスにしたのは、トラート港からワイ島へ渡るボートが11時30分発しかないためです。
バンコクからトラートのバス停留所までがおよそ5時間。そこから30分かかったとしても10時30分。という逆算にもどつき5時00分発のチケットを予約したわけですが、搭乗したミニバスは5時15分になっても5時30分になっても出発しやしない! 20人ほどが定員のミニバスはほぼ満席ですが、空席をひとつでも減らすため、出発時間を遅らせて客を詰め込もうとういう作戦なのか…。
もしトラートへの到着が11時を過ぎてしまったら、1日1本しかないワイ島行きのボートへ乗ることができない。
胃がキリキリし始めてきた…。

タイに7年住んでいることで、タイ人の時間に対する甘さには耐性が多少なりと付いているとは思っていますが、この時ばかりは悠長に構えてられやしない。内心は穏やかではありませんが、つとめて穏やかな表情を取り繕い「いつ発車するんじゃい?」とドライバーに詰問。ドライバー「もうちょっと待って」。
出発時刻を遅らせていることに罪悪感を感じていないため、悲しいかなこの問答自体が意味をなしていない。
少しずつ窓の外が明るくなりはじめ、朝を迎えつつある。
諦念を胸にしっかりと抱き瞑目しながら待っておりますと、午前5時40分、ミニバスは何事もなかったかのように出発いたしました。

プライベートビーチを持つ『Koh Wai Paradise』

当初の予定ではかなり余裕を持ってトラートの港に着いているはずだったんですが、けっきょく港へ到着したのは11時過ぎ。11時30分発のワイ島行きボートに乗れはしましたが、あと30分遅れていたらアウトでございました。
ワイ島までの乗船時間は1時間ほど。ビーチに着岸するとそこから徒歩で宿泊施設まで向かいます。私が選んだ『Koh Wai Paradise』はボートが着く場所から近く、バンガローの目の前には、白くて美しい砂浜と、静かに打ち寄せる青い海が広がっている。
我が家を出発した午前4時から勘定しておよそ8時間、ついに秘島へ上陸です。

トラート中心部のバスターミナルではなく、途中の小さなバス停で下車。

時刻表です

トラートの港には数台のソンテウが常時待機しています

ワイ島の着岸ポイント。港などないので、岸ぎりぎりにボートをつけて上陸。

ビーチの近くでシュノーケリングが楽しめる美しい海

前述したようにワイ島にはホテルが5つしかなく、しかもコンビニなどの店舗もない。かろうじて4Gは入るものの宿泊施設にWi-Fiはなく、部屋にテレビもなければエアコンも無し。人類が築き上げてきた文明の多くを手放した絶島です。
この島を満喫するならまずは海。砂浜から数十メートルほど海に入れば魚の群れに出会えるので、シュノーケリングは必須アイクティビティです。
シュノーケリングセットやライフジャケットは『Koh Wai Paradise』にてレンタルできます。

『Koh Wai Paradise』で電気が使える時間帯は18時〜22時

タイ本土から電力が通っていないため、ワイ島の宿泊施設は各々で自家発電しています。発電時間は各施設によって決められており、私が滞在した『Koh Wai Paradise』では午後6時から午後10時までの4時間のみ。それ以外の時間は部屋に通電しておらず、室内灯はもちろん、充電なども不可。
部屋にトイレが設置されていないので、22時以降はスマホのライトを頼らなければ、トイレへ行くこともできません。
通電時間はホテルによって異なっているので、以下のホテルリストを参考にしてください。

ワイ島5つのホテル

執筆時点でAgodaに掲載されているホテルは『Koh Wai Pakarang Resort‎』と『Koh Wai Beach Resort』の2つ。他の宿泊施設は直接コンタクトを取り、事前に宿泊料金を振り込んで支払いを済ませる必要があります。
5つのホテルのうち4つは北側に立地。『Koh Wai Beach Resort』だけが南側にぽつんと建っています。
北側にある4つはすべて見てきましたが、個人的にお勧めなのは私が宿泊した『Koh Wai Paradise』です。ボートが着岸する場所から近く、バンガロー全室がシービュー。プライベートビーチが綺麗に整備されている。その割に宿泊料金が500、600バーツ程度ですのでコスパは悪くないでしょう。
夜はどの宿泊施設も通電が止まるため、就寝時間は冷房なし。私が宿泊した期間は風もまったくなかったので、寝付くことがなかなかできない私はしこたまウイスキーを飲みました…。

Koh Wai Paradise

TEL:061-4241556
E-mail:なし
PRICE:500-700B(すべて部屋はシービュー)
Facebook:https://www.facebook.com/KohWaiiParadise/
電気が使える時間帯:18.00 – 22.00
オープン時期:1年中

レセプションにある食堂。

600バーツの部屋に宿泊しました

バンガローの目の前にビーチが広がっています。

バンガローには幾つかのタイプが有り。

Good feeling resort

TEL:081-850-3410、062-536-8321
E-mail:なし
PRICE:600B(最大4人部屋、全7部屋)
Facebook:なし
電気が使える時間帯:17.30 – 22.30
オープン時期:10月から5月ごろまで

Koh Wai Pakarang Resort‎

TEL:084-778-2234
E-mail:不明
PRICE:以下画像を参照
Facebook:不明
電気が使える時間帯:24時間
オープン時期:不明

Agodaでのご予約はこちらから

Ao Yai Ma Resort

TEL:065-228-9535
E-mail:無し(Facebookメッセンジャーで連絡)
PRICE:小600バーツ、大800バーツ(1部屋2名様まで)
Facebook: https://www.facebook.com/Koh-wai-ao-yai-ma-706479729406296/
電気が使える時間帯:18.00- 22.30
オープン時期:10月終わりから5月ごろまで

Koh Wai Beach Resort

TEL:081-306-4053
E-mail:kohwaibeachresort@hotmail.com
PRICE: 2100 / 2400 / 2900 / 3400 / 5900(7P)
朝ごはん付き クーラーと温水器あり
Facebook:なし
電気が使える時間帯: 12.00-14.00、17.00-9.00
オープン時期:11月1日から4月30日まで

Agodaでのご予約はこちらから

覚えておきたいワイ島のこと

電気が使える時間帯が決まっている

前述したように、各部屋の通電時間はホテルによってまちまちです。スマホ用のパワーバンクを持参しておくことをおすすめします。
ちなみに、私が旅行へ行くときに持参しているパワーバンクはRavpowerという商品。重量はそこそこありますが、iphoneを4、5回のフル充電できますので、これ1台で数日程度の旅行なら十分です。

島内の移動手段は徒歩のみ

ワイ島は小さな島であるうえ、道路が整備されていないので、モーターバイクやソンテウといった交通手段はありません。
島内を散策をする場合、整備されていない山道を歩かなければならないため、サンダルなどは避けたほうがいいでしょう。

レストランや売店は一軒もなし

ワイ島にはバーやパブといったナイトライフ系の店舗がないどころか、レストランや売店も皆無。宿泊施設内に設けられた食事処と売店(ちょっとしたものしか売ってない)があるだけです。
それを見越していた私は、ウイスキーとワインおよびスナック類を持ち込むという用意周到さを発揮。

各ホテルのWi-Fiはかなり弱いこともある

滞在先として選んだ『Koh Wai Paradise』ではフリーWi-Fiが利用できたものの、微弱。DTACの4Gが使えたので、もっぱらそちらを利用していました。Agodaのレビューを見てみると、他ホテルのWi-Fiもいまいちのよう。
フリーWi-Fiはアテにしないほうが賢明かも。

ボトルの持ち込みが禁止されている

自然を守る為、ワイ島はガラス瓶の持ち込みが禁止されています。事前にそのことを把握していた私は、ワインは紙パックのものを、ウィスキーはペットボトルに移し替えるという用意周到さを発揮。

時季によっては暑さで寝苦しい

ほとんどの宿泊施設が、11月から5月ごろまでしかオープンしていないのは、雨期を避けているためです。
つまり開いているのは乾期のみ。1年でもっとも暑さが和らぐ1月から3月ごろなら夜も涼しいかもしれませんが、私が来訪した11月中旬は夜になると風がピタリと止み、しかも冷房設備もないため寝苦しい。
年中、クーラーで身体を甘やかしている方は、暑さ対策を考えておいたほうがいいでしょう。

アクティビティはシュノーケリングとカヤック、釣り

ワイ島でのアクティビティはシュノーケリングのほか、宿泊施設が貸し出ししているカヤック、釣りなど。
北側から南側に徒歩で行くこともできるようですが、私は挑んでおりません。

ATMがない

レストランがないのにATMがあるはずもなく、島内で金が底を尽きたらTHE END。
財布の紛失などにはくれぐれもお気をつけください。

『Koh Wai Paradise』なら両替可能

ATMはないですが『Koh Wai Paradise』では両替なら受け付けているようです。きっとレートは悪いでしょうが、それは仕方なしということで。

癒しの孤島、ワイ島。

私が滞在している3日間、ワイ島で見かけた宿泊者の8割はタイ人。ほか2割が欧米人といった感じでした。小さい島でアクティビティが限られていることもあり、日本人にほとんど知られることなく存在してきたのでしょう。ホテルが5つしかなく、しかも電気すらまともに使えない。
滞在期間中だけでも、スマホから少し手を離し、心を解放してください。

 
夜、スマホで暗闇を照らしながら歩いていると波の音だけが耳に届く。
数多の星が散らばる夜空を見上げた。
孤高の絶島に、厳かな静寂が降り注ぐ。
 

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西尾康晴(Yasuharu Nishio)の画像

西尾康晴(Yasuharu Nishio)1974年生まれ大阪府出身。大阪と東京で雑誌編集者として勤務し、2011年にタイへ移住。バンコクで月刊誌の編集長を経て2017年4月にタイ国内旅行会社TRIPULL(THAILAND)Co.,Ltd.を立ち上げる。TRIPULLのほか、バンコク発タイ料理グルメ情報サイト「激旨!タイ食堂」を運営。 Twitter:nishioyasuharu

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