話題の宗教組織【タイ国タンマガーイ寺院】へと訪れてみた

何かと話題の宗教組織【タイ国タンマガーイ寺院】へと訪れてみた

2016年12月27日、バンコク郊外で起こったとあることがニュースとして報じられました。

タイ警察、仏教寺院住職の逮捕断念 多数の信者に阻まれ

場所はパトゥンタニー県にあるタンマガーイの敷地内。
ニュースによると、タイの司法長官は11月、マネーロンダリングへの関与と盗品を受け取った容疑でタンマガーイ寺院の住職、プラタマチャヨー僧と他の4人を起訴する方針を決め、タイ警察が逮捕に踏み切ったとのこと。
ところが寺院内で待ち受けていた大勢の信者らに阻まれ、境内に入ることができず逮捕を断念したと報じています。
このニュースからさかのぼること1年以上前の2015年3月には、収賄疑惑があったタンマガーイが約2000万ドル(約24億円)の寄付金を返還したというニュースもありました。

収賄疑惑のタイ寺院、寄付金24億円を返還へ

2015年以前にも疑惑によりニュースで取り上げられたことが度々あり、なにかと世間を騒がせているタンマガーイ。いったいどういった宗教組織なのか。
おおまかにご存知の方もいると思いますが、タンマガーイの公式サイトやネット上の情報を整理し、以下にまとめてみました。

タンマガーイとは

日本語版のサイトによると、タンマガーイの軸となる「瞑想」の創始者はプラモンコンテープムニーさんという方で1916年に出家。
1918年にパークナム寺院の住職に就き、この後、「タンマガーイ瞑想法」を編み出したそうです。
彼の死後、瞑想を学びに来る人々が増え、パークナム寺院で対応できなくなったことから、クンヤーイ氏とルァンポー氏が1970年にタンマガーイ寺院を設立しました。
つまり「タンマガーイ」とは、瞑想を軸とした宗教ということになります。

信者の特徴

信者は高学歴であったり高収入者であるのが特徴。
のちに紹介しますが、タンマガーイの敷地内を案内してくれた女性2人も、タイの名門大学を卒業したばかりの子でした。
また信者はバンコク都市部の中間層、著名人が多く、高所得者から多額のお布施が集まることによって強力な資金力を持つようになったと言われています。

タンマガーイ寺院の場所

バンコクの北に接するパトゥンタニー県に位置し、バンコク中心部からだと車で1時間ほどの場所です。
現在の地に寺院が設立されたのは1970年。
当時の面積は196ライ(約9万5千坪)だったそうですが、現在は地図をご覧になるとお分かりのように広大な土地を所有しています。

タンマガーイ寺院へ行ってきました

ゲートをくぐると目の前に現れるタンマガーイのメモリアルホール

なにかと黒い噂ばかりが持ち上げられ、「カルト集団」のような心象さえ与えているタンマガーイ。
実際はどうなのか。
2000ライ(約320ヘクタール=東京ドーム約68個)もあるという寺院の敷地内はどうなっているのか、この目で見てみたい。
とはいえ一人で行くのは不安甚だしいので、知人を誘い、10月の某日パトゥンタニー県のタンマガーイ寺院を目指し車を走らせました。
渋滞がなければバンコク中心部から車で約1時間ほどです。
入り口へと近づくと受付では警察官が待機しており、このまま敷地内に入るのはちょっとヤバいんじゃないかなとビビり気味で近づいていきました。

「入っていいですかぁ?」

事情をよく分かっていない外国人のように振る舞い、タンマガーイの関係者でないことを必死でアピール。
私の不安など意に会することなく、警察は私を近くの駐車場へ誘導します。
職務質問か。
そう覚悟していたのですが、どうやらレセプションがある施設の駐車場だったようで、敷地内を見学するにはここで受付をしなければならないようです。

敷地内の案内役はタンマガーイのスタッフ

ゲートをくぐるとすぐ目の前にUFOのような建築物が現れます。
入館3分で早くも圧倒されるのですが、これはメモリアルホールで、私が目指しているタンマガーイ寺院ではありません。
レセプションでいただいた英語版の案内図に敷地内のマップと、それぞれ建物の説明が表記されています。

レセプションで配布されている案内パンフレット(英語版)

レセプションで数分待っていると、白装束の女性スタッフがカートで現れ、彼女は私たちに乗車するようにと笑顔で指示。
言われるがまま連行されたのは、もう一つのレセプションでした。
まずはここで名前や年齢、メールアドレスなど、ありったけの個人情報を記入するのが必須です。
敷地内の見学には案内役のスタッフがガイドしてくれるのですが、入場料や案内料など一切支払う必要がないのは、潤沢な資金を持つタンマガーイだからこそでしょう。
無料で案内してくれるのだから、彼女たちの要求にある程度従う必要がありまして、その一つが「白装束の着用義務」。
来客用の白装束が用意されているスペースから自分のサイズを選ぶと、洋服の上からさらに白装束を着用し、インスタント信者の出来上がりです。

白装束の着数が多い!

カートに乗って広大な敷地内を見学

この日、私たちを案内してくれることになったのは2人の女性。
ファイちゃん(左)とエケルちゃん(右)です。
ファイちゃんは大学を卒業したばかりの新卒さんで、出身校はタイ最高学府と言われているチュラロンコン大学!
エケルちゃんはタマサート大学を卒業し、高学歴を持つ二人はタンマガーイでお仕事をしています。
と思っていたら、話を聞くと仕事ではないのだとか。

「私たちは給料をもらっていないんです」

ファイちゃん(左)は23歳、エケルちゃん(右)は25歳です

彼女たちはタンマガーイ運営を手伝っていますが給料というのはなく、代わりに住居や食事が無料で提供されていると言います。
住居は敷地内にあるアパート。
聞くと、女性700人、男性1000人ほどのボランティアスタッフが働いているのだとか。
ボランティアスタッフはタンマガーイの信者だけでしょうし、1700人のほとんどが敷地内のアパートに住んでいるのでしょう。
過疎化した日本国内の村よりも人口多いんじゃないだろうか…。

二人は日本語は話せませんが、高学歴だけに英語はそれなりにお話しできる。
少なくとも私よりはペラペラです。
そんな彼女たちに案内してもらったタンマガーイ寺院ツアーの内容をお伝えしましょう。

白装束を着用した我々はまず白い象の前で写真を撮影され(撮影していいか聞いてきます)、連れて行かれたのは教室のような部屋です。
ここでは映像でタンマガーイを知ってもらおうというのが目的で、プロジェクターを使って流される映像では、タンマガーイの思想、創設時からこれまでの軌跡、瞑想法などが説明されていきます。
映像の途中、ナレーターがタンマガーイ独自の読経を何度も読み、観ている者にも復唱するよう求めてきますが、強制的なものではないので気分が乗らないなら無視しておきましょう。

白装束を着るとこんな感じです

ここでタンマガーイ映像をご観賞

案内役が運転する電動カートで移動

10分ほどの映像を観賞し終えるとエケルちゃんが運転するカートに乗りこみ、敷地の東へと走らせていきます。
カートが停車したのは金色に輝く三角錐の前。
ここは『The Memorial Hall of Master Nun Chand Khonnokyoong』といい、タンマガーイ寺院を設立したクンヤーイ氏のメモリアルホールです。
キャパシティは300名というだけに巨大なメモリアルホールですが、入館することはできず、外から記念撮影して終わり。
金色メモリアルホールのあとは敷地内を走らせ、写真などでよく見るタンマガーイ寺院のドームがあるメディテーションスタジアムへと向かいます。
中央に寺院を建てるこのスタジアムは、瞑想のために建設され敷地面積は1km四方。
周囲は屋根がある2階建ての建築物で、案内役である彼女たちによると、このメディテーションスタジアムには60万人収容できるといいます。
アメリカで最多収容人数を誇る『ミシガンスタジアム』がおよそ10万人であることを考えると、メディテーションスタジアムの60万人って常軌を逸してる!
超巨大なスタジアム内には常に読経が流れ、白装束を着た信者たちがところどころで瞑想に耽っています。

オフィスが入るというこの建物は16階建てだそうです

黄金色のメモリアルホール

ただでさえ広大な面積を誇る『メディテーションスタジアム』ですが、2階もあります!

メディテーションスタジアムでは靴を脱ぐ必要があります

気が遠くなりそうなほど広いので、好きな場所を選んで瞑想に励むことができます

ツアー最後の見学場所はタンマガーイ寺院!

タンマガイツアーの最終地を飾るのは、もちろん寺院。
みなさんが瞑想している外側から中央へ向かって歩いていくわけですが、地面のコンクリートは太陽によってしっかりと熱せられているため、靴下を履いていなければヤケドするんじゃないかってぐらい足裏が熱い。
私は靴下を着用していたので問題なく歩けましたが、同行した方は裸足だったので、飛び跳ねつつ、叫びつつ、中央へ駆けていってました。
UFOのような建築物はいたって巨大で、黄金色のドーム上部がインパクトをさらに強めている。
上部の金色はペイントを塗っているのではなく、黄金色の小さな仏像が並べられているんです。
その数、30万体!

「寺院に寄付すると、名前を彫った仏像を置いてもらえることができるんです」

ドーム上部には30万体の仏像が設置!

チュラロンコン大学を卒業したばかりのファイちゃんは、寺院に寄付し、自身の名前を彫った仏像を収めてもらったと言います。
仏像はドーム上部だけではなく寺院内にもおさめられ、仏像数はなんと70万体!
ファイちゃんの名前を彫った仏像がどこなのか聞いてみましたが、本人ですらどこにあるのか分からないそうです。
見学ツアーはおよそ2時間。
カートで戻り着替えた後、お土産品としてポストカードまでもらえちゃいます!

ポストカード①

ポストカード②

ポストカードを手にすればあとは帰るだけ。
最後の最後、逮捕状が出ている住職について彼女たちに聞こうか迷いましたが、信者である彼女たちからは「信じている」としか返ってこないに違いない。
そう思い、住職については一切聞くことなく彼女たちと別れました。

実は日本国内にもたくさんあるタンマガーイ寺院

「タンマガーイ寺院がどうのこうの言ったって外国のお話しじゃーん」
と思っている日本在住の方々。
日本国内にも10箇所の別院があり活動しています。

タイ国タンマガーイ寺院東京本院

タイ国タンマガーイ寺院大阪別院

タイ国タンマガーイ寺院神奈川別院

タイ国タンマガーイ寺院群馬別院

タイ国タンマガーイ寺院長野別院

タイ国タンマガーイ寺院 栃木別院

タンマガーイ寺院茨城別院

タンマガーイ寺院埼玉別院

タンマガーイ寺院名古屋別院

タイ国タンマガーイ寺院 山梨別院

タイ国タンマガーイ寺院への行き方

公共交通機関では難しいので、タクシーやレンタカーなど車での来訪をおすすめします。
タクシーなら以下のタイ語を見せて分かる運転手を探してみてください。

วัดพระธรรมกาย

タンマガーイ寺院見学ツアーを終えて

さきでも紹介しましたが、タンマガーイ寺院の敷地面積は約320ヘクタール。
東京ドームを70個ほど収容できる広大な土地に、風変わりな建築物をいくつも建てているのだから、下手な観光スポットへ行くよりも見ごたえたっぷりです。
私たちについたボランティアスタッフは英語だけしか話せませんでしたが、タンマガーイには日本語を話せるスタッフもいるとのこと。
事前(3日前)に予約すれば日本語可のスタッフを手配できるとおっしゃっていました。
ツアーのご予約はタンマガーイへお問い合わせください。
直接ご連絡するのが躊躇われるようでしたら、TRIPULLで代理予約を承っておりますので、お気軽にご相談ください。

宗教的なことを除いては、タンマガーイ寺院は個人的におすすめの観光スポットです。
ただ幾つもの不正疑惑が報道されているだけに、タンマガーイを冷たい視線で見ているタイ人も少なくないのも事実。
そういった事情を理解した上で、ツアーご希望の方は以下でお申し込みください。

タンマガーイ寺院 DATA

Wat Phra Dhammakaya & Dhammakaya Foundation

TEL:+66-2-831-1000,+66-93-317-6278
ADDRESS:23/2 Moo 7,Khlong 3,Khlong Luang District,Pathum Thani 12120,Thailand
Email:info@dhammakaya.net
Website:www.dmc.tv/en  www.dhammakaya.net  www.mdwmeditation.org  www.ordinationthai.org

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西尾康晴(Yasuharu Nishio)の画像

西尾康晴(Yasuharu Nishio)1974年生まれ大阪府出身。大阪と東京で雑誌編集者として勤務し、2011年にタイへ移住。バンコクで月刊誌の編集長を経て2017年4月にタイ国内旅行会社TRIPULL(THAILAND)Co.,Ltd.を立ち上げる。TRIPULLのほか、バンコク発タイ料理グルメ情報サイト「激旨!タイ食堂」を運営。 Twitter:nishioyasuharu

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