フアムムマーケットの名所!ガチムチが踊りまくる貝料理専門店『サタニーミーホイ(Staneemeehoi)』

フアムムマーケットの名所!ガチムチが踊りまくる貝料理専門店『サタニーミーホイ』

半裸のマッチョが絶叫&ダンシング!

ホォーーーーゥッ!
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建物もまばらな郊外の夜空に野太い嬌声が響き渡る。ここはバンコク中心部から車で30分ほど離れた「フアムムマーケット」の敷地内で異様な人気をほこる「サタニー・ミー・ホイ」。直訳すると、貝のある駅。日替わりのセクシー衣装に身を包んだマッチョな兄貴がサーブしてくれる貝料理専門店である。半裸のマッチョや、巨乳美女が作るソムタム屋台などが定期的に話題になるタイにおいては目新しいわけでもないのだが、ガチムチイケメンと貝料理を掛け合わせたビジネスセンスにはマジで感服するばかりだ。

ローカル色濃厚なフアムムマーケットだが、ヴィンテージ古着やハンドメイド雑貨を扱うショップもあり、ショッピングもじゅうぶん楽しめる

イヤでも目に入るのは、店内をウロつく兄貴たちの大きく盛り上がった胸筋に、美しく割れた腹筋。しなを作りながらテーブルとテーブルの間を練り歩くたび、客席から苦笑と歓声が入り混じった声が漏れる。

往年のおかまバーにも似た空気感は、高層ビルの間をおしゃれな人が闊歩するバンコク中心部にはもうないというか、端的に言ってダサい。そしてそこがたまらなく魅力的だ。日本においても、筋肉自慢の男子が接客する「マッチョカフェ」が話題だったりするが、残念ながらここと比べれば洗練の極みである。

抑えきれない珍スポぶりが噴出

街の隅っこではたまにとんでもない奇跡が起きているなーと感慨にふけっていると、突然ドギャーーーンという爆音が流れ、兄貴たちのダンスパフォーマンスがはじまった。ひとしきり踊ったかと思うと、ブツッという不穏な音とともに唐突にダンスも終了。数秒ののち何事もなかったように音楽とダンス再開。この不思議な「間」が、YouTubeから手作業で選曲していて、次のコンテンツを読み込んでいる「間」だと気づくまでにそう時間はかからなかった。あらかじめMIXした音源を流すといった行為が、逆にかっこ悪く見えてくるから不思議なものである。音割れもすごい。天然のファズがかかった音質から察するに、安スピーカーの最大出力を超えているのは明白だ。
そんな前衛ノイズに激しく身を震わせながらも、同時進行で汚れたテーブルを拭き、適宜オーダーを取るなど店員の業務もしっかりと遂行する兄貴たち……。壁にぽつんと飾られた愛らしい犬のパネルが、全体の狂気をさらに加速させている。ファンシーな衣装からしても、ある程度はB級や珍スポである自覚のもとに運営されているはずなのに、それを補って余りある、本物だけが持つB級感、抑えきれない珍スポぶりが噴出しているのだ。

来店したときは超満席!

隣のテーブルではマッチョ総出でハッピーバースデーの大合唱。セクシーにケーキを舐めとる兄貴を横目に、誕生日会やるならここだ!と心に決めた

7種類の貝とエビを揃えたメニュー

筋肉を鍛えることでストレス解消にアンチエイジング、肩こり腰痛の改善、自信がつきポジティブに。セロトニンもドバドバで抗うつ効果も抜群。およそ人生の悩みという悩みは筋トレで解決できる!筋肉最高!――と広く喧伝される昨今。何もかも解決?そんなうまい話あるかよ、と斜に構えていた私ももはや改宗せざるを得ない。鍛えるどころか、ただ眺めているだけでも気分は最高潮と、その効能をまざまざと見せつけられたのだから。

おもしろレストランと侮ってはいけない。炭火で焼く貝類はどれも新鮮そのもので臭みもなく、赤貝のゆで加減も選べるこだわりようだ

と、筋肉礼賛に夢中で肝心の料理を忘れていたが、ホーイクレーン(赤貝)、ホーイワーン(つぶ貝)、ホーイシェル(帆立)など7種類の貝は、すべて一皿100B。三種盛りで290B。アユタヤ名物の大きな川エビは一尾250Bからで、生牡蠣も1ピース80Bと大変お値ごろ。タイ人客が中心となり、週末ともなると行列は必至。この日はホーイレンプー(ムール貝)が売り切れだった。全種類制覇したければ早めに行こう。

日々の疲れや悩みも瞬時に消し去るほどバカバカしい空間。この日同伴した友人女子(写真右)が、二日と置かず再訪していた。恐るべき中毒性である

バンコクの新宿二丁目!?

体を覆う布面積こそ小さいけど、兄貴たちからは品格すら漂い、チップが飛び交うといった場末な光景も一切なし。というかチップは受け取ってもらえなかった。同じ筋肉男子でも、ブリーフに番号札をつけて踊る店が「陰」だとすると、こちらは圧倒的に「陽」。お子様連れで行っても安心……かも。とはいえ、接客態度は新宿二丁目・午前2時みたいなテンションを一貫してキープしており、兄貴たちの雄たけびとダンスに接する時、自分の「知力」のパラメータが1ずつ削られていくのを実感するだろう。深刻な顔つきの殿方がフーターズに一人もいないように、ここもまた誰もが笑顔になれるパラダイス。世界一バカげた貝塚として後世発見されないことを祈るばかりだ。

フアムムマーケットへの行き方

バンコク中心部から20kmほど北東のカセート・ナワミン通りに面しており、バスなどを使って行くのはかなり難しいため、レンタカーかタクシーを利用したい。
タクシー運転手に「タラート・フアアム!」と伝えたところで、きちんとしたタイ語の発音でなければ理解してもらえない可能性大。理解してもらえないときは、フアアム市場のタイ語を見せれば分かってもらえる、はず。

ตลาดหัวมุม

【DATA】
『サタニー・ミー・ホイ(สถานีมีหอย)』
TEL :081-381-4227
OPEN:18:00-24:00
Facebook:@staneemeehoi

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万灯レイコ万灯レイコ(まんどれいこ) 在タイ5年の人妻。趣味:フィールドワークという名の場末探訪。量産型ショッピングモールとおしゃれカフェに侵食される前に記録しておかねば。と謎の使命感を胸に日々徘徊。

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