バンコク最安値 100バーツのマッサージ店20軒が密集する按摩聖地! 

バンコク最安値 100バーツのマッサージ店20軒が密集する按摩聖地! ジャルンクルン・ソイ72

私が以前住んでいたのは、チャオプラヤー川のそばを南北に走るジャルンクルンという通りでした。
中心部よりやや外れているので日本人は少なかったですが、バンコク最古の通りと言われるだけに古くから営んでいる飲食店が多く美味しいタイ料理店に恵まれていたので、住んでいた3年間で他へ移りたいという気持ちが湧いたことはありませんでした。
今年4月、会社を立ち上げるために引越ししましたが、いまでもジャルンクルン通りへはときどき足を運んでいます。

ジャルンクルン・ソイ72に密集するバンコク屈指の激安マッサージ店

ジャルンクルン・ソイ72の入り口

ジャルンクルン通りへ向かう目的はタイ食堂が目当てのときもあれば、マッサージ店に行くこともしばしば。私が訪れるマッサージ店はジャルンクルン通りのソイ72にあるんです。
この細い通りには20軒ほどのマッサージ店が密集。バンコクには無数のマッサージ店がありますが、20軒ものマッサージ店が集まっているエリアも珍しい。ここは店舗数が多いだけではなくとにかく料金が安いんです。
最安値のマッサージ料金は、ボディマッサージが100バーツ、フットマッサージ120バーツ! 私が知っている限りバンコクで最安値ですし、どのマッサージ師の施術も秀逸で満足できなかったことは一度もありませんでした。

ジャルンクルン・ソイ72は、『アジアティーク』から徒歩5分ほど北上したあたり。行き方の詳細はのちほど紹介します。

激安マッサージ店が生まれた由来は寺院「Wat Worachanyawas」

高い施術技術を持ちながら100バーツという低価格なのは頭をかしげてしまう。技術に対しての金額が低すぎやしないか…。私はマッサージ代にプラスして相応のチップを渡すようにはしていますが、以前から価格に疑問を持っていました。
この疑問を解決するために、もっとも客が入っている川沿いのマッサージ店にアポなし直撃取材を敢行しました。

取材協力してくださったマッサージ店。チャオプラヤー川そばに立地しています

タイ人だけではなく欧米人のお客さんもちらほら

ニューハーフのマッサージ師もいます

突然の訪問にも関わらずインタビューを快諾してくださったのはヨッサワット先生。この界隈にあるどのマッサージ店も低価格なのは、近くにある寺院「Wat Worachanyawas」の影響だといいます。
ジャルンクルン・ソイ72は奥まで行くとチャオプラヤー川が見え、川のすぐそば建つのは「Wat Worachanyawas」という寺院。巨大な涅槃像が安置されており、チャオプラヤー川を走るボートから見ることもできる大きさです。
寺の近くに開店するマッサージ店は、この寺院のご住職に許可を得る必要があり、彼がマッサージ店に求めるのは「低価格で施術するように」ということ。
この言葉には、「周辺に住む貧しい方や低所得の方のために低価格でマッサージが受けられるようにしてほしい」との想いがあるそうです。
10年前は70バーツだったというマッサージ料金。しかし物価上昇を無視することはできず2年前に100バーツに値上げ。ヨッサワット先生の店は今年に入ってからは120バーツに値上げしています。
通りを入ったところにあるマッサージ店は100バーツ(ボディマッサージ)で営んでいる店もあり、バンコク最安値のマッサージエリアとして頑張っています。

インタビューに応じてくださったヨッサワット先生

Wat Worachanyawasの涅槃像

ジャルンクルン・ソイ72にマッサージ店が多い理由

低価格でマッサージを提供している理由は判明しました。もう一つの疑問は、寺院「Wat Worachanyawas」の周辺にこれほど多くのマッサージ店が並んでいる謎です。この件もヨッサワット先生に伺いました。

「ここの上階にはマッサージを教えているスクールがあり、そこで習得したマッサージ師たちがお店を開店しているんです」

マッサージを習得した者の数名が、住職に許可を得て寺院周辺で店を開店。その店がどんどん増えていったそうです。ちなみにヨッサワット先生の店は開店しておよそ10年。川近くの一等地に店を構えていることもあり雇っているマッサージ師は30名と多く、客は平日だと50名ほど、週末になると70〜80名が入るそうです。

ヨッサワット先生いわく
「ボディマッサージは2〜3時間施術してもらったほうが全身くまなくマッサージできるのでおすすめです」
とのこと。
一般的な価格(200バーツ)のマッサージ店で3時間施術を受けると600バーツ。
ヨッサワット先生の店は最低料金が120バーツなので3時間なら360バーツ。240バーツの差額です。しかもしっかりとした腕があってこの値段ですから、コスパの高いこと!

ジャルンクルン・ソイ72にあるすべてのマッサージ店にはオイルマッサージがありません。オイルマッサージを施術するには服を脱がなければならず、これをご住職が「猥褻に映る」と判断したためだそうです。

【SHOP DATA】
ヨッサワット先生のマッサージ店
TEL:087-083-4895
OPEN:5:00-20:00(無休)

無料で教えているマッサージスクールを取材してきました

上階にあるというマッサージスクールを覗いてみたく、事務局に相談したところ取材許可を得ることができました。
上階にはマッサージスクールだけではなく、料理、縫製、理容、ネイルなど、いろんな教室が開かれています。
目指すマッサージスクールは4階。マットを敷いたスペースで15名ほどの生徒がマッサージを勉強しているところでした。
教えているのはスプラーニー・チャイクラープ先生です。
聞くとここはバンコクが運営する職業訓練センターで、無料で受講できるのはマッサージのほか料理や縫製など。月謝が必要なコースもあり、もっとも高いのは理容だと言います。

「ここでは150時間を受講してもらいます。終了いたしましたら修了証を発行いたします」

マッサージを指導するスプラーニー・チャイクラープ先生

土日はお休みなので受講できるのは平日のみ。1日に受講できる時間は朝9時から14時までの5時間なので、150時間を受講するには1ヶ月半ほど必要になります。
ここで受講しているみなさん、マッサージ師になりたいから通っているのでしょうか。
一人の女性に話を伺いました。

「今はカラオケ機器の会社に勤めています。空いている時間を利用して通っているだけで、マッサージ師として働くつもりは今のところありません」

彼女は以前ここの料理教室にも通っていたこともあり、時間を見つけては習い事に通い自身をスキルアップさせているようです。
マッサージだけではなく、料理や縫製、理容など、受講している半数以上が女性。
「タイ人は男性より女性のほうが働き者」と言われますが、職業訓練センター内にもその言葉が表れているように感じました。

マッサージ店からの求人が無数に貼り出されています

縫製を教えている教室です

料理教室がもっとも人気でした

理容を習っている人も結構いました

バンコク最安マッサージ店が集まるジャルンクルン・ソイ72への行き方

「ジャルンクルン・ソイ72」と聞いて、だいたいの場所を把握できる方はごく少数でしょう。公共交通機関を使う場合、BTSサパーンタクシン駅からが至便です。
駅を降りてからは3つの手段があり、一つ目はチャオプラヤーボートを利用する方法。
駅からボート乗り場「Sathorn Pier」へ向かい、受付でWat Vorachanyawas(S2)まで行くチケットを購入。
降りるのは2つ目のボート乗り場なので所要時間は5分程度です。

ボートを使うのが一番便利です

降りるのはS2のWat Vorachanyawas

 

続いてはソンテウ。
サパーンタクシン駅を降りジャルンクルン通りへ出ると、ソンテウ乗り場があります。そこから1273番のソンテウを見つけてライドオン!
10分ほど走ると左手に『テスコロータス』があるので、そこで降りてください。
道路の反対側がジャルンクルン・ソイ72です。
バスなら75番や1番。同じく左手に『テスコロータス』が見えたら降車してください。

今年亡くなられたWat Worachanyawasのご住職

ジャルンクルン・ソイ72のマッサージ店が低価格でサービスを提供してきたのは、ご住職の意思があったためです。
低価格マッサージ店はタイ人の間で広がり、寺院周辺にはたくさんのマッサージ店が開店するまでにいたりました。
そのご住職ですが、今年逝去したそうです。
低所得者のためにマッサージ店の価格を抑えるよう導いてきたご住職の意思が、これからも継承されていくことを願います。

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西尾康晴(Yasuharu Nishio)の画像

西尾康晴(Yasuharu Nishio)1974年生まれ大阪府出身。大阪と東京で雑誌編集者として勤務し、2011年にタイへ移住。バンコクで月刊誌の編集長を経て2017年4月にタイ国内旅行会社TRIPULL(THAILAND)Co.,Ltd.を立ち上げる。TRIPULLのほか、バンコク発タイ料理グルメ情報サイト「激旨!タイ食堂」を運営。 Twitter:nishioyasuharu

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