バンコクの主要観光スポットの1つに数えられる水上マーケット。
タイのガイドブックを開けば必ず載っているといって過言ではないでしょう。
川や運河沿いに店舗を設け、野菜や魚介類、食品などを販売し、地元の人々の生活に密着した市場として始まったのがほとんどです。
のちに紹介するダムヌゥンサドゥアックやアンパワーなどは、どんどん観光者向けになっていき、古き姿も残しつつ新しい店舗も増えていきました。
本記事では、ガイドブックに載る常連の水上マーケットだけではなく、バンコク都内およびバンコク近郊に点在する水上マーケット8つを完全紹介。
きっと名前すら聞いたことのない水上マーケットもあると思います。
名の知れた水上マーケットを制覇した後、マニアックな水上マーケットを訪れてみれば新たな魅力に触れられるでしょう。
8つ目に紹介するプラヤスレン水上マーケットでは、川沿いの場所に椅子を2つ並べ、髪を切っている2人を発見。即席の散髪屋を水上マーケット内で展開しておられました!
お客さん2名は気持ち良さげな表情をしておられたので、腕は確かなのでしょう。
メジャーからマイナーまで、バンコク近郊の水上マーケットの魅力をどどんとお届けします。
なお、ここでご紹介する水上マーケットのほとんどは、開催が土日のみです。
アンパワー水上マーケットは平日でも入場できますが、店舗のほとんどが閉店しています。
もう1点。水上マーケットへは午前中に行くのがおすすめ。
ダムヌンサドゥアックやアンパワー水上マーケットのように外国人観光客が多い市場は異なりますが、ほかの市場では午後に閉まる店舗が増えるためです。
Contents
ダムヌゥンサドゥアック水上マーケット|サムットソンクラーム県
ガイドブックなどには必ずといっていいほど取り上げられ、バンコク近郊の水上マーケットで旅行者にもっとも知られた水上マーケットといっていいいでしょう。
バンコクから車で1時間半ほど。西のサムットソンクラーム県にある水上市場です。
ダムヌゥンサドゥアック水上マーケット(ตลาดน้ำดำเนินสะดวก)の歴史は150年ほどまでさかのぼります。
1866年にラマ4世の命によってメークロン川とターチン川とを結ぶダムヌゥンサドゥアック運河が建設。
完成するや周辺の住民が水上市場が展開し始め、このころはラッドピー水上市場(ลัดพลี)という名称で親しまれていたようです。
その後1971年、タイ国政府観光庁はラッドピー水上市場へ外国人観光客を誘致するために活動。店舗などを増やし、1981年には新しい道路を建設して「ダムヌゥンサドゥアック水上マーケット」と改名しました。
いまではすっかり観光者にも認知され、タイ国内の水上マーケットではもっとも知名度は高いでしょう。
運河に浮かぶ小船では、クイッティアオやパッタイといったタイ飯やフルーツを売り、運河沿いの商店では雑貨やお土産品を販売しています。
旅行者がもっとも多い水上マーケットなので外国人客が多く、それに伴い値段もそれほど安くはありません。
ダムヌゥンサドゥアック水上マーケットで忘れてはならないのが小舟ツアー。運河を巡り、周辺で暮らす人々の家々を見学することができるツアーです。
ダムヌンサドゥアック水上マーケットの場所
バンコクから西へ80kmほど。サムットソンクラーム県に属しています。
車だと渋滞がなければ1時間半ほどで行けるでしょう。
>>バンコクからダムヌンサドゥアック水上マーケットへのチャータータクシーご予約は、こちらより受け付けております。
アンパワー水上マーケット | サムットソンクラーム県
ダムヌンサドゥアック水上マーケットは外国人観光客が多いですが、アンパワー水上マーケット(ตลาดน้ำยามเย็นอัมพวา)はタイ人からの人気も高い水上市場です。
アンパワー川の両岸に肩を寄せ合うように並ぶのは、お土産、アクセサリー、衣料品、食器といった品々を売る店や、河口が近いこともあり海鮮類が食べられる飯屋、お洒落なカフェ、ぶっかけ飯屋、クイッティアオ屋といった飲食店など。
アンパワー水上マーケットにも周辺の運河を巡る小舟ツアーは随時発着しています。特に人気なのが雨期になると現れるホタルの群生を見るツアーです。
時期としては5月から始まり10月ごろまでで、特にホタルが多くなるのは雨のあと。
日本でも見ることが難しくなりつつあるホタルだけに、アンパワー水上マーケットでのおすすめアクティビティです。
アンパワー水上マーケットへの場所
ダムヌンサドゥアック水上マーケットの近くにあり、距離は10kmほど。同じくサムットソンクラーム県にあります。
>>バンコクからアンパワー水上マーケットへのチャータータクシーご予約は、こちらより受け付けております。
>>アンパワー水上マーケットとメークロン市場へのプライベートツアーはこちらからお申し込みいただけます。
タリンチャン水上マーケット |バンコク
バンコク中心部から直線距離はおそよ12kmのタリンチャン水上マーケット(ตลาดน้ำตลิ่งชัน)。
タイ国内の水上マーケットといえば冒頭で挙げたダムヌンサドゥアックとアンパワー水上マーケットが両雄です。
この2つに比べるとタリンチャン水上マーケットの規模は小さく、周るだけなら30分ほどで見終えてしまいますが、タリンチャン水上マーケットの特長とは、このコンパクトさだと言い切りたい。
私はこれまで各地の水上マーケットを制覇してきましたが、これほど小さい規模はタイでトップクラスではないでしょうか。
水上市場の規模を数値化した資料がないため証明できないですが、私の主観では5本の指に入るコンパクトな水上市場だと思います。
午前中から行けばさほど人も多くなくゆっくりと散策でき、自分自身のペースで雰囲気を楽しめるのは嬉しい点。
有名水上マーケットではできない楽しみ方です。
>>タリンチャン水上マーケットの記事はこちらをご覧ください。
バンナムプン水上マーケット |サムットプラカーン県
場所はサムットプラカーン県ですが、バンコク中心部からもっとも近いのがバンナムプン水上マーケット(ตลาดน้ำบางน้ำผึ้ง)。
バンコクからチャオプラヤー川を渡ったバンカチャオという自然保護区にある市場です。
自然にあふれ、しかもバンコクから気軽に行ける距離にあるため、週末になるとタイ人をはじめ欧米人たちがレンタル自転車を借りて、サイクリングを楽しむ姿を多く見かけます。
水上マーケットの規模はさほど大きくありませんが、外国人向けに観光地化されていないので、ローカル感を味わいたい方にはおすすめです。
バンナムプン水上マーケットへの行き方
BTSプロンポン駅からタクシーに乗り、クロントゥーイ港の船乗り場まで向かってください。
10分ほどですので、タクシー代も数十バーツですみます。
ここから渡し舟に乗れば、対岸にあるのがバンカチャオです。
船着場にレンタル自転車があり、パスポートさせあれば借りられるので、ママチャリですが15分もあれば到着できますよ。
クローンラットマヨム水上マーケット|バンコク
クローンラットマヨム水上マーケット(ตลาดน้ำคลองลัดมะยม)は、先に紹介したタリンチャン水上マーケットから西へ6〜7kmに位置しています。
バンコク都内の中ではタリンチャン水上マーケットのほうが知名度があり、日本人の中には『クローンラットマヨム水上マーケット』の名前すら聞いたことがないという方も多いでしょう。
知名度は低いといっても、しょぼくれた水上マーケットではなく、規模はタリンチャンよりも大きくてタイ人観光客も圧倒的に多い市場です。
市場内は8つのゾーンに分かれており、衣料品やお土産物を販売する店、タイ屋台飯が並ぶスペースのほか、水上市場周辺で採れた野菜や果物を売っているのは特徴の一つ。
農家が直接販売しているだけに、野菜類はとにかく安い!
>>クローンラットマヨム水上マーケットのプライベートツアーはこちらからお申し込みいただけます。
>>クローンラットマヨム水上マーケットの記事はこちらをご覧ください。
クワンリアム水上マーケット|バンコク
センセープ運河を走るボートに乗り、ひたすら東の上流へとさかのぼっていくと『The Mall Bangkapi(ザモールバンカピ)』が終着点です。
ここからバスに乗り換えさらに上流へと進んだところにクワンリアム水上マーケット(ตลาดน้ำขวัญ เรียม)が広がっています。
クワンリアム水上マーケットがオープンしたのは2012年。
他の水上マーケットとは少々雰囲気が異なっており、その1つは水上マーケットでありながら船上で調理している船などが一艘もないこと。
ボートといえば運河を巡るためのツアーボートのみです。
こちらのボートツアーは30分で40バーツ。
開催は土日だけで、開催日の朝7時30分から8時は、ボートに乗ったお坊さんが水上マーケットに来て托鉢を行っているそうです。
>>クワンリアム水上マーケットの記事はこちらをご覧ください。
ワットサパン水上マーケット|バンコク
日本語で検索してもヒットしないワットサパン水上マーケット(ตลาดน้ำวัดสะพาน)。
当然ながら超ローカルでしかも規模が小さい!
市場に来ている方の多くは、「近くに住んでいるんだけど暇だから車でぶらっとやって来た」感がむんむんと放出されており、ローカルな場所にきたなぁ!という感慨に耽ることができるでしょう。
こういう雰囲気が好きな方でしたら垂涎間違いなし。
そばを流れる運河からはボートツアーが発着しています。タリンチャン水上マーケットやクローンラットマヨム水上マーケットから来るボートツアーも多く、訪れるのはそういった方々が大半なのかもしれません。
>>ワットサパン水上マーケットの記事はこちらをご覧ください。
プラヤスレン水上マーケット|バンコク
最後に紹介するのは、訪れた日本人は極めて少ないだろうと思われるプラヤスレン水上マーケット(ตลาดน้ำพระยาสุเรนทร์)です。
私は車で向かいましたが「こんなところに水上マーケットをよくも作ったもんだ」と感心したほど辺鄙な場所に広がっています。
水上マーケットの規模はさほど大きくなく敷地内を回るだけなら2、30分もあれば十分。
しかも私が訪れた15時ごろはほとんどの商店が閉店! ただでさえ規模が大きくない水上市場なのに、開いている商店が少ないと侘しさこのうえない。
この侘しさこそ僻地にある水上マーケットの「味」ともいえるので、じっくりと侘しさに浸りながら散策してください。
>>プラヤスレン水上マーケットの記事はこちらをご覧ください。
メジャーな場所から超マイナーまで8つの水上マーケット
ここで紹介したアンパワーやダムヌゥンサドゥアック、タリンチャン水上マーケットは、他たくさんのサイトでも詳しく紹介しているタイ国内では相当知られた水上市場です。
観光ツアーも数多くあり、初めてタイに訪れた方でも行きやすく、親しみやすいでしょう。
まずは上記3つの水上マーケットから楽しみ、幾度かバンコクへ訪れるようになったら、クロンラットマヨムやクワンリアム水上マーケットのような、旅行者が比較的少ない市場の雰囲気も楽しんでみてください。
今まで感じることのできなかったいろんなタイランドが見えてくるはずです。